2265|クラシックを見直した二つ折り財布|使いやすさと厚みのバランスを追求
※本記事は「2265」二つ折り財布の紹介記事です(在庫品あり/カラーオーダー対応)。
1. はじめに|道具としての形
クラシックな二つ折りの基本構造をもとに、自分なりの工夫を重ねています。マチの開き具合や札入れの補強、厚みの均等化など、細かな部分まで調整を重ねて仕立てました。
見た目はシンプルですが、扱いやすさや納まりの良さを感じてもらえるよう意識しています。
2. 使い方|必要だけを、整えて持つ
お札入れ1、コインポケット1、カード段3、コインポケット裏にフリーポケット1。中身を厳選して、必要最低限をスマートに持ち歩く形です。
お尻のポケットにも収まりますが、長く使うためには鞄での持ち運びを推奨します。
3. 素材のこと|育つ革を惜しみなく
すべて植物タンニン鞣しのイタリアンレザーを中心に製作しています。時間とともに艶と深みが増し、手に馴染む風合いへと育っていくのが特長です。手縫いの革財布としての魅力を最大限に引き出すため、質の高い牛革のみを厳選しています。
在庫品では、植物タンニン鞣しのイタリアンレザーを中心に、仕立てに適した在庫の革から選んで製作します。カラーオーダーでは、お好みの革の種類やカラーを指定していただけます。気分の上がる組み合わせで、自分だけの二つ折り財布をお作りください。
4. 仕立ての工夫|厚みと強度
外装はポケットに入れて使うことも想定し、革を貼り合わせて約1.5mmの厚さに仕立てています。分厚くなりすぎないよう調整しながら、必要な強度をしっかり確保しています。
できればバッグに入れて使っていただくのが理想ですが、日常での使われ方も考慮し、耐久性と扱いやすさの両立を意識して設計しています。
5. 手仕事|菱目打ちと手縫いの精度
OUGI Leathersの二つ折り財布は、すべて手縫いで仕立てています。縫う前に「菱目打ち」という専用工具で、縫製用の穴を一つずつ正確に開けていく工程があります。これは革職人の技術を支える重要な工程で、革と革をしっかり固定し、耐久性の高い財布に仕上げるための基本でもあります。
穴の位置や間隔によっても強度は変化します。負担のかかる部分で固定幅が短すぎると、革が裂ける原因になることもあるため、感覚に頼らず設計段階から強度を計算して位置を決めています。
こうした見えない部分の積み重ねが、長く使える手縫い革財布の品質を支えています。
6. 長く使えるように|細部の仕上げ
コバ仕上げ:切り口の繊維に蝋を染み込ませ、ゴミやホコリが入り込まないよう蓋をします。そのうえで磨き上げ、滑らかで強い仕上げにしています。摩耗しにくく、美しさを長く保てます。
7. この製品が生まれた背景|厚みの均等化
使い込まれた二つ折り財布を見ると、中央に厚みが集中していることが多くありました。どうすればそれを軽減できるか──その問いから、このモデルの設計を始めました。
革は使うほどに馴染み、形が持ち主に合わせて変化していきます。ポケットの膨らみや、カードと小銭が重なって生まれる厚みの偏りに違和感を覚え、重心と収まりのバランスを見直しました。
完璧な対称構造は不可能でも、使い心地・耐久性・携帯性の最良点を探りながら仕立てています。
8. 最後に
基本的な形の二つ折り財布に、自分なりの工夫を随所に織り込みながら仕立てました。シンプルな形だからこそ、厚みのバランスや扱いやすさにこだわっています。
在庫品は、イタリアレザーを中心に在庫の革を使って製作しています。
カラーオーダーでは、お好みの革の種類やカラーを指定していただけます。あなたの手に馴染む一品をお作りください。