OUGI Leathers について

OUGI Leathersでは、使いやすさ、形の美しさ、そして丈夫さを大切にしながら、革製品を一つひとつ手縫いで製作しています。
毎日手にするものだからこそ、余計な装飾を避け、シンプルで無理のない構造に。
使うたびに手に馴染み、時間とともに革が変化していく様子も楽しんでもらえたらと思っています。

革は、古くから人の暮らしに使われてきた素材であり、もともとは食肉の副産物として生まれるものです。
使い捨てとは対極にあるような、丈夫さと、経年変化による深みを持った素材。
暮らしの中で時間を重ねていくことが、自然とそのものの魅力につながっていく、そんな素材だと思っています。

大量に作って、大量に使い捨てることが主流になっている今の流れのなかで、
新しいものを買っては、またすぐに買い替えるような習慣も広がっています。
気づけば手元に何も残っていなかったり、思い入れのないものばかりが並んでいたり。
そんな空白のような感覚が、ふとしたときに寂しさや虚しさにつながってしまいそうな気がします。

だからこそ、細かいところまで手をかけて、長く使えるものを届けることには、
今でも意味があると感じています。
このかたちが、自分の答えです。
その気持ちを変えずに、日々の製作に向き合っています。

ブランド名の「OUGI」は、日本の伝統的な道具である扇(おうぎ)に由来します。
扇は、広げると末広がりの形になり、昔から繁盛や開運の象徴とされてきました。
革という長く使える素材に、そうした吉兆の願いを重ねて名付けています。

身につけていただく方にも、縁起の良いものをそっと手にしていただけたら──
そんな思いも、この名前には込めています。

現在は1人で製作から販売までを行っていますが、
丁寧なものづくりを大切にする姿勢に共感してくださる方が、少しずつでも増えていくことを願っています。