2112製作記録 #6|コバ処理|効率系財布の製作過程|最終

2112製作記録 #6|コバ処理|効率系財布の製作過程|最終

すべての縫製が終わり、いよいよ最後の工程に入ります。
2112|効率系財布で最も重要といえる、複数の革が重なるコバの処理です。

前回の製作記録でも触れましたが、コバ処理は革製品の強さと美しさを左右する大切な工程。その仕上げが、製品の完成度を決定づけます。

今回は、作業の合間に撮影した写真を交えながら、仕上がりの変化をご紹介します。

2112効率系財布 縫い上げ直後の断面。イタリアレザー ブッテーロの層が重なっている様子

これは縫い上げた状態の様子です。
断面を見ると、革が層になって重なっていることがはっきりとご覧いただけます。

2112効率系財布 コバ処理前の断面をヤスリで整えた状態。イタリアレザー ブッテーロの質感が見える

電動工具やヤスリを使い整えました。

2112効率系財布 コバ処理剤を塗って乾燥させた状態。ブッテーロレザーの層が筋となって浮かんでいる

コバ処理剤を塗って乾燥させました。
平らに整えたつもりでも、層が筋となって浮かび上がってきます。

2112効率系財布 削って二度目のコバ処理剤を塗布し乾燥させた工程。ブッテーロの断面を均一に整えている

削って2度目を塗り、乾燥させたところです。
層の筋がなくなるまで、この工程を繰り返します。

2112効率系財布 コバの層を埋めて削り、平らに整えた状態。ブッテーロの仕立てが際立つ

筋を埋め、削って平らにしました。

2112効率系財布 コバを滑らかに整え黒を塗布した状態。ブッテーロの断面に均一な色が入っている

滑らかにしたコバに黒を入れて乾燥させたところです。
塗った量や塗り方によっては気泡が入ったり、厚みにムラが出ることもあります。

2112効率系財布 更に削って黒を重ねたコバ処理工程。気泡をなくすため繰り返し整えているブッテーロレザーの断面

さらに削って黒を重ね、乾燥させました。
まだ気泡が見える部分もあり、これがなくなるまで繰り返します。

2112効率系財布 黒を入れて削った右側と蝋を入れた左側の比較。ブッテーロレザーのコバ仕上げ工程

黒を入れた後に削って平らにしたのが右側です。
左側はそのあとに蝋を入れた状態です。
凹凸をなくすため、塗布・乾燥・削りを何度も繰り返し、仕上げていきます。
数日にわたる、とても時間のかかる作業です。

2112効率系財布 コバを磨き上げた完成状態。ブッテーロレザーの断面が平滑になり鈍い反射を帯びている

そして磨き上げたのがこちらです。
コバ処理剤による多層処理に加え蝋で保護し、平面に鈍い反射を帯びた仕上がりになりました。

今回 #1~#6 の製作記録では、作業の合間に撮影した様子と、それぞれの意味をお伝えしてきました。
ただ形にするだけであれば、ここまでの手間をかけずとも製作は可能です。
しかし OUGI Leathers は「お客様の宝物となるような製品」を目指し、あえて時間と労力を惜しまず仕立てています。
丁寧に仕上げられた革製品をお求めの際は、ぜひご検討ください。

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