4122|ラウンドファスナー長財布|カード収納に特化した実用型ロングウォレット
4122|ラウンドファスナー長財布|王道を磨いた、整理上手の一品
※本記事は「4122」ラウンドファスナー長財布の完成品・カラーオーダー共通の紹介記事です。
1. はじめに|定番の形を磨くということ
カード・紙幣・小銭をすっきり収められる、王道のラウンドファスナー長財布。その形は変わらずとも、内装の構成や革の厚み、仕立ての順序を見直すことで、より扱いやすく、整った一品に仕上げました。
使いやすさを高めながらも、手縫いとコバ磨きによる確かな仕立てを大切にしています。
2. 使い方|所作を整える構造
カードを多く持ち歩く方のために、左右合わせて10枚分のカード段を配置。中央には使用頻度の低いカードをまとめられるスリット、右側にはフリーポケットを備えています。
L字ファスナー式のコイン収納は開きやすく、中が見やすい構造。レジ前でも慌てず、スマートに支払いを済ませられるよう設計しました。
3. 素材のこと|育つ革を惜しみなく
外装・内装には、植物タンニン鞣しのイタリアンレザーを使用しています。ブッテーロ、マレンマ、ミネルバリスシオ、プエブロなど、時間とともに艶と深みが増していく革を厳選しています。
在庫品はこの中から選定して製作しており、カラーオーダーでは、これらの革の中からお好みの組み合わせでお仕立てが可能です。
4. 仕立ての工夫|形の精度を支える下準備
4122の製作では、外装と内装それぞれの革を適した厚みに漉き、全体のバランスを整えています。パーツによってはわずかに厚みを調整し、扱いやすさを損なわないようにしています。
次に、トコ面(革の裏面)を仕立て前に処理し、滑らかで触れたときに違和感のない状態に整えます。仕上げ後に見えない部分こそ、丁寧な前処理が重要になります。
本断ちでは抜型を使わず、すべて手断ちで行っています。直角な切り口を得ることでパーツの合わせが正確になり、縫い合わせやコバの仕上がりが美しく整います。こうした基礎工程の積み重ねが、完成後の精度を支えています。
5. 手縫い|一針に込める強さ
すべての縫製は、蜜蝋を染み込ませた糸を用いた総手縫い。サドルステッチで仕立てることで、糸が切れにくく長期間の使用にも耐えます。
表と裏の針を交互に通すことで、均一な縫い目と高い耐久性を両立しました。
6. 長く使える価値|細部の仕上げ
コバ仕上げ:コバ処理剤の多層処理や蝋処理などを行い、滑らかで強い仕上げにしています。摩耗しにくく、美しさを長く保てます。
金具:ファスナーにはYKKエクセラを使用。滑らかな開閉と経年で深まる色味が魅力です。
7. 製作への思い|整理上手のための一冊
形の構造上どうしても小銭入れのスペースを大きく取ってしまうと感じていましたので、4122では約半分をコイン収納に、もう半分をカードポケットにしました。使う人の手元で自然に整う、そんな財布を目指しています。
実用性と仕立ての美しさ、その両立を意識して作り上げたのが「4122」です。
8. 最後に
この財布は、カードを多めに持つ方のために、なるべく仕分けしやすいように考えて作りました。革はイタリアレザーを使い、細かな部分まで工夫を重ね、丁寧に仕立てた手縫いの長財布です。
長く使うほどに革が育ち、使う人それぞれの表情に変化していきます。
4122は、在庫品としてすぐにお求めいただけるほか、外装・内装・糸を自由に選べるカラーオーダーにも対応しています。革の組み合わせや糸色で、あなたらしい一冊を仕立ててください。