2291|ラウンドファスナー長財布|イタリアンレザーを手縫いで仕立てた収納力ある一品
※本記事は「2291」ラウンドファスナー長財布(在庫品専用/カラーオーダー非対応)の紹介記事です。
1. はじめに|道具としての形
見た目の派手さではなく、使いやすさと整理のしやすさを軸に設計した実用型ロングウォレット。2291は「必要なものを、過不足なく収める」という考えで作ったものです。
毎日使う道具として、無理のない構造と確かな仕立てを大切にしています。派手さよりも、静かな使いやすさを求めた一品です。
2. 使い方|日常に馴染む構造
左右それぞれ6枚、合計12枚のカードを個別に収納できるカード段を備えています。どのカードがどこにあるか一目で分かり、スムーズな会計が可能です。
ポケットの一部は2枚重ねても使える設計で、収納量を重視したい方にも対応します。
厚みは鞄に入れても収まりやすいバランスを探り、通勤や通学など日常の場面で扱いやすいように仕立てています。
3. 素材のこと|育つ革を惜しみなく
外装・内装には、植物タンニン鞣しの革を使用しています。イタリアレザーを中心に、在庫状況に応じて国産など他の上質な素材も取り入れています。使い込むほどに艶が増し、深い表情へと育っていきます。
革とカラーの組み合わせは製作ごとにこちらで選定しています。カラーオーダーには対応していません。
4. 仕立ての工夫|トコ面の保護
パーツを準備した後、トコ面(革の裏面)の処理と手断ちの順に下準備を進めます。トコ面処理は、繊維がむき出しになっている裏面を保護するための作業です。
細かなホコリやゴミが繊維に入り込むと革にダメージが蓄積し、劣化を早めるおそれがあります。そのため、専用のトコ処理剤を使って表面を整え、滑らかにコートしています。
5. 手縫い|先を見て
縫製はすべて手縫いで行っています。蜜蝋を染み込ませた糸を使い、サドルステッチで丁寧に仕立てています。
革は使うほどに馴染み、わずかに薄く変化していきます。その変化を見越して縫うことで、使い込んだあとも縫い目が美しく整うように仕上げています。
6. 長く使えるように|細部の仕上げ
コバ仕上げ:コバはすべて手作業で処理しています。切り口の繊維に蝋を染み込ませ、ゴミやホコリが入り込まないよう蓋をします。そのうえで丁寧に磨き、滑らかで強い仕上げにしています。摩耗しにくく、美しさを長く保てます。
金具:ファスナーには日本製のYKKエクセラを採用。滑らかな開閉を楽しめます。
7. 製作への思い|同じようで違う
基本的な形の財布ですが、自分なりに「開きはこのくらいがよい」という感覚をもとに、形の微調整を重ねています。「トコ面」「縫い」「コバ」など、それぞれの工程にも小さな工夫を取り入れています。
2291は、基本的な形でありながら、手に取ったときに「どこか違う」と感じていただけるよう意識して作った財布です。
8. 最後に
2291は、実用性を重視したラウンドファスナー型の長財布です。革はイタリアンレザーを中心に在庫のある革を使い、細部まで工夫を重ね、手縫いで丁寧に仕立てています。
長く使うほどに革が育ち、使う人それぞれの表情に変化していきます。
在庫品のみの展開となりますが、製作のたびに革の組み合わせを変えており、一期一会の出会いをお楽しみください。