
1513|ショルダーバッグ|美しいシルエットと広い開口部を両立した総手縫いの一品
シルエットを取るか、使いやすさを取るか――従来のバッグでは避けられなかった選択。1513は、そのトレードオフを解消するために生まれました。ここでは、デザインの工夫や素材の魅力、製作の背景をお伝えします。

おすすめの使い方
1513は、休日の街歩きはもちろん、旅行や仕事にも幅広く対応できるオールマイティなショルダーバッグです。カジュアルからビジネスカジュアルまで自然に馴染みます。A4対応の収納力があるため、ノートPCや書類を持ち歩くシーンでも安心して使えます。
製作のこだわり
最大の特徴は「蛇腹マチ+広い開口部」。横から見たときの美しい三角形シルエットを保ちながらも、開口部は大きく広がり、出し入れが快適に行えます。また、背面にはスマートフォンや交通カードを即座に取り出せるポケットを設け、日常の動作をスムーズにしました。
この蛇腹風のマチを活かすため、ストラップの取り付け方法を工夫しました。肩に掛けた際には重みで自然にマチが締まり、三角形のスタイルが際立ちます。シルエットを崩さずに、安定感と柔軟性を両立させています。
素材・仕上げについて
素材は、バダラッシカルロ社のミネルバリスシオ、またはワルピエ社のマレンマからお選びいただけます。いずれも植物タンニン鞣し革で、厚みと豊かなオイル感が特徴です。手縫いの強度と温かみが加わることで、長く使うほどに味わいが増していきます。
特にマレンマは、これまで小物向けに使われることが多い革ですが、あえてA4対応サイズのショルダーバッグに仕立てることで、日常使いでありながらも特別な存在感を放ちます。
バッグ自体が重くなりすぎないよう内装は設けていません。そのままでは革の劣化を早めてしまうため、裏面には丁寧な処理を施しています。オイルのしっかり入った革を使いながらも、ショルダーバッグとして軽く仕上がっています。さらに、コバには剥がれにくい専用の処理剤を用い、時間をかけて仕上げることで耐久性を高めました。金具には経年変化と相性の良い真鍮を採用し、革とともに使い込むほど深みを増していきます。
この製品が生まれた背景
三角形のシルエットには以前から惹かれていましたが、その一方で開口部が狭くなり取り出しにくくなるという欠点がありました。どうすればシルエットと使いやすさを両立できるのか。試作と検討を重ね、マチ構造やストラップの取り付け方を工夫することで、この課題を解消する形にたどり着きました。
最後に
1513は、長く使っていただけるように、すべてを総手縫いで仕立てています。手縫いは機械縫いに比べて糸の保持力が強く、年月を経ても安心して使い続けられます。また、名門タンナーの革を選んだのは、使い込むほどに艶と深みが増し、経年変化を存分に楽しんでいただけるからです。
カラーオーダーを通じて、ご自身のライフスタイルに合わせた一品に仕立てることが可能です。「自分だけのバッグ」として、ぜひ長い時間をかけて育てていただければ幸いです。